米子市・境港市の税理士が解説|相続税の配偶者控除の条件と注意点
はじめに
相続税には「配偶者控除(配偶者に対する相続税額の軽減)」という非常に大きく税額を軽減できる制度があります。
配偶者が遺産を相続する場合、遺産のうち、最大で1億6,000万円または法定相続分までは相続税がかからないため、条件を満たせば相続税額がゼロになることもあります。
しかし、この制度は「申告しなくても自動的に適用される」と誤解されがちです。実際には申告義務や遺産分割の期限、二次相続への影響など、知っておくべきポイントが多数あります。
この記事では、米子市及び境港市で活動する税理士が、配偶者控除の基本から条件、注意点までわかりやすく解説します。初めて相続税の申告をされる方や、将来の相続に備えたい方はぜひ参考にしてください。
※当記事は2025/8/11時点の情報に基づき作成されております。

1.相続税法の配偶者控除(配偶者に対する相続税額の軽減)」とは?
制度の概要
相続税法の配偶者控除とは、配偶者が相続によって取得した財産のうち、次のいずれか多い金額までを配偶者の相続税額から控除するという制度です。
①1億6,000万円
②遺産(課税価格の合計額)のうち、配偶者の法定相続分に相当する金額
対象となる配偶者の定義
- 法施行地に住所を有していない配偶者も適用できる。(相続税法基本通達19の2-1)
- 法律上の婚姻関係にある配偶者が対象となる。したがって内縁関係は不可。(相続税法基本通達19の2-2)
※婚姻届を提出していない場合や、離婚が成立している場合は対象外です。 - 相続を放棄した配偶者にも適用がある。(相続税法基本通達19の2-3)
2.配偶者控除の適用条件
①申告義務
配偶者控除は、相続税の申告を行わなければ適用されません。
たとえ相続税額がゼロになる場合であっても、申告をしなければ配偶者控除は使えないため注意が必要です。
②遺産分割が完了していること
遺産分割協議(※)が完了していなければ、配偶者控除は原則として適用できません。
(※遺産分割協議とは、相続人全員で亡くなった人が遺した財産をどう分けるか話し合うことです。)
配偶者が取得した財産が分かる様に、遺言書の写しや遺産分割協議書の写しを相続税申告書に添付して提出しましょう。
万が一、相続税の申告期限までに遺産分割協議が完了できない場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税申告書に添付してこれを提出し、申告期限から3年以内に分割する等の要件を満たすことで、配偶者控除の適用を受けることができます。
3.注意点
では、「遺産が1億6千万円に満たない場合は、配偶者が全ての遺産を相続すれば、相続税額がかからないじゃないか!」とお考えになる方も多いのではないでしょうか。
実際にそういうケースもございますが、全ての財産を配偶者が相続すると、残された配偶者が亡くなった際(二次相続)に相続税が高額になる可能性があります。
理由は主に下記の通りですのでご確認ください。
- 二次相続では配偶者控除の規定が適用できない。
- 一次相続よりも法定相続人の数が減って基礎控除が少なくなる。
- 一次相続よりも法定相続人の数が減るため、相続人1人当たりの相続財産の金額が大きくなり、税率が高くなる。
※相続税は累進課税であり、相続人1人あたりの法定相続分により取得した場合の財産が大きいほど税率が高くなります。
上記より、一次相続では、将来の相続も考慮し、どの様に分割すれば「税負担が軽くなるか」をシミュレーションの上で分割すると税負担を最適化することができます。
ただし、単純に税金のことばかり考えるのではなく、どのくらい配偶者が財産を相続すれば「この先の暮らしを安心して送ることができるか」等を考慮することがとても重要です。
まとめ
配偶者控除は、相続税を大きく減らせる非常に有効な制度です。しかし、適用には申告義務や遺産分割の期限、押さえておくべき条件が多数あります。また、二次相続も考慮の上で遺産分割を行うことが重要です。
当税理士事務所では、米子市、境港市等の鳥取県西部にお住まいの皆様、松江市、安来市、出雲市等の島根県東部にお住まいの皆様の相続税に関するお悩みに寄り添い、丁寧なカウンセリングと的確なアドバイスを提供しております。
「うちの場合はどうなるの?」「将来の相続(二次相続)も踏まえたシミュレーションをしてほしい」といった疑問やご不安がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
お客様の大切な財産を次世代へ円滑に引き継ぐためのお手伝いをさせていただきます。
■対応地域(相続税)
・鳥取県:境港市、米子市および鳥取県西部全域
・島根県:松江市、安来市、出雲市

